酒匂川石


大型の蒼黒ジャクレで左右30㎝あり、水盤が小さく見えてしまいます。

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特定の景がある訳ではないのですが、そこそこ変化があって雄大さも感じさせる石だと思います。山形、土坡などの決まった景情を要求すると揚石できるものがなくなってしまうので、こうした石でも見所があれば持ち帰っています。自分で楽しむには、これでも十分でしょう。
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酒匂川石


酒匂川石にしては比較的黒っぽいジャクレです。

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台地を川が浸食してできた渓谷のような景を持った石です。グランドキャニオンというと大げさになってしまいますが、日本的な景とはやや異なっています。

酒匂川石


写真は酒匂川のジャクレ石です。

酒匂川石

景情は岩潟的な磯形です。左右18cmの細長い石でジャクレの穴から蟹が這い出してきそうな気がします。

ジャクレ


夜来の風雨が早くも梅の花を散らしています。もう少し楽しみたいところですが、季節はいつも駆け足で私たちの前を通り過ぎていきますね。

前回ジャクレについて少し触れましたが、後で説明が不十分であったと気がつきました。従って今回は、段石シリーズの間に割り込む形になってしまいますが、ジャクレに関してやや詳しく見ていきたいと思います。

これは私の個人的意見なのですが、ジャクレは水石の非常に重要な構成要素だと思っています。なぜならジャクレは、石面に多様な変化を与え、その結果鑑賞の趣が一層高まるからです。

そこでジャクレの定義なのですが、石に蛇が這った後のようなえぐり取られた窪みがある場合、それをジャクレ(蛇崩)と言います。また石の軟質部がえぐり取られた部分には微細な凹凸ができます。

ジャクレは水石で言う皮目、肌目にも関連してきます。皮目とは一個の石において川擦れを比較的受けなかった固い面(つまり凹凸などの変化のない石面のこと)を意味し、肌目とは軟質部が削られ石の肌目(肌に微細な凹凸があって変化の多い石面)が表れることを指す言葉です。

ただ肌目と言っても、川擦れの時間経過の違いから、軟質部がまだ残っている状態や、軟質部が完全になくなり、硬質な芯部だけになってしまったものもあるはずで、やや定義に曖昧さを残しています。

私としては、かなり荒っぽいのですが、もっと単純に考えて、石を水濡れさせた場合乾きが早い部分を皮目、遅い部分を肌目としておけば良いのでは、と思っています。
そして、濡れ肌となった石面が時間の経過とともに皮目から早く乾き、肌目がゆっくりと石の表情を変化させながら乾いていくさまを楽しむことが、水石鑑賞の醍醐味ではないでしょうか。

では、下の写真をご覧ください。
酒匂川ジャクレ石


この石は間口28cmとかなり大型で重量感のある酒匂川のジャクレ石です。ジャクレの深さがわかるよう、斜め上から撮影してみました。天端には2つの小溜りがあります。霧吹きの後しばらく時間が経過してから撮影していますので、ほぼジャクレ部分のみが水濡れしている様子も見てとれますね。
この石をご覧いただけば、ジャクレの様相だけでなく、皮目、肌目についてもご理解いただけるものと思います。
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