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酒匂川石


今回も酒匂川石の段石を取り上げます。まず写真をご覧ください。

酒匂川石、段石2

この石は霧を吹いて濡らしてあります。そうすることで、石がより黒く見え、揚石したばかりの石でもしっとりした雰囲気を味わえるのです。まあ、女性のお化粧と同じですね。
そこで、この石にどんな印象を持たれましたでしょうか? 多分、かろうじて段石として見られるが、あまりいい石だとは思われない、という答えになりそうです。でも、それはなぜなのでしょう? 私たちは、誰でも一定の美的感性を持っており、それは人によって大きく変わることはないはずです。例えば、美しくプロポーションの良い女性を街角で見かければ、男性なら(特に若い男性は)、いいなあ、お付き合いしたいなあ、と思うはずですね。石でも同じことです。優れたプロポーションを有する石を見れば、きっと美的感性を刺激され欲しくなるはずです。ただ私たちは、美女に対しては常に目が行って、その美に対する感性を無意識裏にも磨いていますが、石に対しては、そんな作業はしていません。ですから、この段石があまりいい石だとは思わないにしても、なぜ、どんな点が良くないのかをうまく説明できにくいのです。
それでは、この段石のどこに欠点があるのかをチェックしていきましょう。その作業を通して、どのような段石がいい段石なのかが見えてきますし、さらには水石全般についての良し悪しも自然にわかるようになるはずです。

まず段石の天端と土坡面はほぼ平らで(天端部には石質の違いに起因する小さな段差があります)水平ですから、この点は問題なさそうです。しかし、プロポーションには問題がありそうです。では、どこが問題でしょう? そう、土坡面の長さが足りないのです。土坡面が短いことにより、石に伸びやかな広がりが感じられず、この石から段丘の情景を連想するのを難しくさせています。だから、あまりいい石だと思えないのです。加えてこの石は、段の後ろが浮き加減になっており安定感にも欠けるものがあります。
この石は、石質は悪くないし、天端と土坡面は平らであるべきという段石の必要事項を満たしてはいますが、石の形状は、ほぼ正方形の平たい石の上に、その半分ほどの面積の長方形の段部が乗っているだけで、面白味に欠けるものでした。つまり、プロポーション(石全体のバランス)と安定感という重要な要素に問題があり、結果私たちは、無意識裏に、あまりいい石とは思えないと判定していたのです。(河原に行くと、このレベルの石でもなかなか見つからないのが辛いところです)

今回は以上ですが、それにしても水石について文章で説明するのは本当に難しいですね。元々、水石の良し悪しを感覚的に判断していただけの私にとっては冷や汗ものです。ただ、新たに探石を始めるにあたり、もう一度勉強し直そうと思って、昔購入していた村田圭司氏などの水石解説本を数冊読み直しました。また、悠さんが運営されている水石と飾りというホームページにお邪魔させていただいたところ、極めて精緻な水石理論を展開されておられ、大変勉強になりました。加えて、私が探石した水石も悠さんの掲示板に投稿させていただき、ご講評いただいています。私が曲がりなりにも文章で水石について書けるのは、こうした皆様のおかげだと感謝しています。
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