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酒匂川石


酒匂川の段石シリーズも今回が一応最終回となります。(もちろん新たな段石を揚石できれば都度ご紹介しますが)では、下の写真をご覧ください。

酒匂川段石

この段石は本年早々に揚石したものです。ジャクレの入った石はほとんど起こされているような河原でしたが、この石は段部から下が砂に埋もれた状態であったため見逃され、奇跡的に私と巡り会えたのでしょう。いずれにせよ、今後これ以上の段石に出会うことはなさそうな良石です。

今回の段石は、今までご紹介してきた石とは異なる際立った特徴を備えています。
まず、石の段部は土坡部近くで茶色っぽく色が変わり、そのまま土坡に続いていきます。これは、段の一部分と土坡のおよそ半分程度が軟質部で肌目になっていることを示しています。ですから、ジャクレの項でご説明しましたように、土坡の肌目部分は乾きが遅く、まだ濡れ肌の状態となっています。
一般的な段石において段部、土坡部の間で石質の違いはないはずですが、この段石の場合はっきりした違いがあるのです。

またこの石は、段部と土坡部が割れて分離する数歩手前まで川擦れによる浸食が進んでおり、結果、段部と土坡部との段差が相当大きくなっています。加えて、軟質部がごっそり削られたせいで、土坡部の奥行きが減少し段部の後ろ半分の位置から伸びています。これも他では見られない特徴ですね。

この石は他の酒匂川石と違って、観賞していても飽きが来ません。その理由としては以下の点が挙げられると思います。

1. 段部にボリュームがあり、しかもやや前傾しているため圧迫感があること。
2. これに対して土坡の部分は段の後ろ半分から伸び出しており、後退感があること。
  加えて、土坡が入り江のように奥にえぐれていること。
3. 一方土坡全体でみると前面に向けて湾曲していること。

これら輪郭線の相反するような流れが、石に面白い視覚効果を与え、見飽きないようにさせているのです。

真上からの写真
真上からの写真です。ご説明してきた石の輪郭線がよくわかると思います。

さらに、石を見る視点や角度を変えると、土坡が大きく長くなり、あるいは短くなるように感じられます。また、石の斜め後ろ上から見下ろすと、ボリューム感のある段部が張り出して、そこから大きな落差のある下部に土坡の先端が見えます。このため、段部と土坡部が繋がっていないような印象さえ受けてしまいます。つまり石の特異な形状が視覚トリック的な効果を与えているのです。

斜め上より
斜め上方から撮影したものです。土坡が大きく見えませんか?

後ろ斜め上より
斜め後ろ上方から撮影したものです。写真では平面的になってしまいますが、
実物では、段差により段部と土坡部が繋がっていないと錯覚しそうです。

鑑賞する視点を変えるごとに異なった石相を見せる石は、数少ないと思われます。どの川の河原でも、きっとこのような石が私たちを待っている―と想像するのは大変楽しいことで、探石意欲を掻き立てられますね。
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