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人類進化の謎を解く その2


前回でアフリカの大地に人類の発祥の謎を解く鍵があると書きました。もうご存知かもしれませんが、ヒトがアフリカの大地とりわけ大地溝帯周辺で進化を遂げたことをベースとして、次の三つの仮説が生まれています。

まずサバンナ説です。サバンナ説は、今からおよそ800万年前に始まった大地溝帯の活動により山々が形成され、西からのモンスーンを遮ったため、結果東側が草原化して、そこを移動するのに二足歩行せざるを得なくなったことから人類進化が始まった、とするものです。ところが、人類学上有名なルーシーは森と水が豊富なエチオピアにいました。これではサバンナ説は成り立ちません。サバンナ説を唱えたコパン自身、追いつめられて自説を撤回せざるを得なくなりました。

ルーシー:約340万年前のものと推定される化石が、エチオピアのアファール地方ハダールにおいて発見され、「ルーシー」という愛称が付けられたことからその名があります。

そこで、サバンナ説の弱点をカバーできるモザイク説なる仮説が唱えられました。モザイク説は、当時この地域は草原ではなく森林と草原が混在していた状況だったので、森林から森林へ移動するのに二足歩行したというもの。サバンナ説が困難となり、整合性を取るために唱えられた亜流的仮説で論外です。

上記の2説は、大地溝帯の形成に伴う気象変化が人類進化を促したというものですね。

最後にアクア説を見ていきましょう。これはちょっと突飛な説ですが意外に説得力を持っています。アクア説は、島で共通祖先が半水生活を送った結果、水の浮力で二足歩行が可能になり、水から陸に上がっても半水時代と同じく二足歩行できたというものです。

この仮説に登場する場所はダナキル地塁。エチオピア北東部からジブチの海岸線がそれに当たります。島なんかないじゃないかと疑問の声が上がりそうですが、プレート活動に伴う地殻変動により、今から約600万年前ダナキル地塁は陸から分離して島状態だったそうです。

地塁(ちるい):ほぼ平行に走る複数の断層によって区切られ、両側に対して相対的に隆起し、山地・大地など凸状の地形を呈する地塊もしくはその地形のこと。
                         出典:フリー百科事典『ウイキペディア』


陸から切り離されたダナキル島は乾燥化が進み、森林が枯れ食料となる餌は少なくなっていきます。危機に瀕したヒトの祖先たちは海の浅瀬や海中で餌を採るしか生存を確保する手段がなくなりました。これにより彼らは海水中で活動するのですが、浮力のお蔭で労なくして二足歩行が可能となります。いつしか海水は引き、ダナキル島は再び陸の一部となり、島に閉じ込められていた祖先たちは陸に戻りますが、陸上でも海中での歩行法を踏襲、二足歩行するようになった、というのがこの説のシナリオです。

アクア説によれば、ヒトが半水生活を送った結果、現在の私たちにもその痕跡が残っているとのこと。例えば・・・、

生まれたての赤ちゃんは水の中に入れても息を止められ、溺れずに泳ぐことができる。しかし10カ月を過ぎると泳げなくなる。
ヒトの体毛が薄く皮下脂肪で体温調節をするのは海中にいた証拠である。
体毛のない哺乳類は例外なく水生か、長時間水の中にいることを好む。
ヒトは他の類人猿と異なり体毛の方向が泳いだときの水の流れに一致して、渦を巻くように生えている。
等々数多くの説明がなされています。

しかし半水生活を証拠立てる化石はなく、また水中ではワニやサメなどの天敵にとても対抗できないことなどから、この説を認める学者は現在ほとんどいません。

以上、サバンナ説、モザイク説、アクア説のいずれも人類発祥の秘密を解き明かすものではありませんでした。けれどこの3説にはある重要な共通項があります。それは人類進化が大地溝帯で起きたという点です。

だとすれば大地溝帯は、その活動に伴う気象変動、島の形成などとは全く異なる理由で人類進化に決定的な影響を及ぼしたと考えられます。そこで、人類進化は大地溝帯の影響によって起きたとの仮説を立て、検証作業をしてみましょう。

       ―人類進化の謎を解く その3に続く―

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