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日本人の特殊性の謎を解く その3


日本人の中心にある空洞とはどのようなものでしょう?これも精神的な病理の面から検証します。例えば、ある女性が性に対して異常な拒否反応を持っているとします。この原因を、彼女が幼いとき、偶然母親と他の男との性交渉を目撃したため、と仮定しましょう。彼女はその行為を絶対に許せない。それを最愛の母親がやってしまった。母親の行為を少しでも認めれば、自分は間違いなく崩壊してしまう。そこで、彼女が自分の崩壊を防ぐには、どうすればいいでしょう?

答えは簡単。自分の体験を心の奥底に封印するしかありません。この女性は、母親と他の男性との性交渉を見たことで、精神的トラウマを負いました。女性にとってその行為は絶対に許せないものです。それを自分の最愛の母親がやってしまった。それを認めると、自分が引き裂かれ崩壊します。そこで、彼女はこの事実を自分の意識の奥底に封印し、母親の行為は存在しないものとしたのです。

心理学的には自分の見たものを抑圧し、隠蔽した訳です。この隠蔽により、母親の行為、という部分は彼女の意識上では存在せず欠落した形になっています。彼女の意識上では欠落している=空洞になっているということです。

ではここで、女性の事例と同じようなこと―ただしより重大で深刻なこと―が遠い昔の日本で起きたと仮定します。すると女性の例と同じ経路をたどり、日本人の中に空洞が形成されるでしょう。

中心に空洞があれば、人間はそのままでは自己を存立できなくなります。その危機を乗り越えるは、強固な階層組織を作り、組織の中で自分の存在を確保する以外に方策はありません。よって、日本人は普遍的な世界を反転させ、他律的集団主義という世界を構築せざるを得なくなったのです。

この『空洞構造』こそが、日本人の特殊性の謎に切り込むための重要なキーワードとなるでしょう。しかしまた疑問が浮かびます。先ほどの女性の例は、一個人の偶発的な事件によって発生したものであり、それを日本人全体に当て嵌めるのは間違っている、と。

確かに、女性のケースは一個人の偶発的出来事でしかありません。純然たる個人の問題です。一方、日本人の場合、それが全体に及んでいます。ですから、日本国における各階層の組織から個人に至るまで空洞が存在していることになります。とすれば、日本人の中心が空洞となったのは、ある一つの、偶発的事件が引き起こしたものではないのです。

この結論に従うと、日本人の特殊な性質は、誰かによって意図され、作為されたものということになります。実に奇妙なのですが、この事態の論理的な帰結は、日本人の目から何かをそらし隠すため、誰かが意図的に日本人と国全体を空洞化させた―ということです。では、一体誰が、どのようにして日本人を空洞化させたのでしょう?

さっきの女性の例は、母親の性行為が封印すべきもの、隠蔽すべきものになっていました。これを日本に当て嵌めると、日本人は、それが何かは不明だが、極めて重大なものを、封印し、隠蔽している、ということになります。

日本人は自分の中に何を封印しているのでしょう?現段階で答えはありませんから、それを『謎の実体』としておきます。つまり日本には、正体不明な謎の実体が封印されている、ということになります。

ここまでの話を逆に辿ると―日本国には『謎の実体』が存在しており、それを封印するために、日本人の中心は誰かの手で空洞化され、結果自分がなくなった。その中で自己を存立させるには、他律的集団主義という、自律的個人主義が反転した構造にシフトするしか策がなくなり、そこから日本人の特殊性とされる様々な傾向が派生してきた―となります。これで日本人の意識構造の全体像が俯瞰できましたね。

反転した日本人の意識構造を元に戻すのは可能でしょうか?謎の実体を暴き出しさえすれば、自律的個人主義に復帰するはずとの意見も出るでしょう。しかしそれは、ほぼ不可能です。先ほどの女性の例を思い起こしてください。誰かがこの女性を誘惑して、そうとは気付かれないよう一室に案内し、性行為を強要したとします。そのとき彼女はどのように反応するでしょう?

そう、彼女は大いに取り乱し、自分を失ってしまうでしょう。テレビのサスペンスドラマみたいに、目についた花瓶を相手に叩きつけ、相手を殺してしまうかもしれません。そして殺した後、気がついて見ると、どうして自分がこんな行動を取ったのかわからない。なすすべもなく立ち尽くしているところへ警官が踏み込んで逮捕される―といったシナリオが想定されるはずです。

性的拒否反応を示す女性は、自分の負ったトラウマを意識の奥底に封じ込めています。しかし彼女は、そのせいで自分が性交渉を拒んでいるとは気付かない。そこにけしからん男が現れ、性行為を強要する。彼女の封印が破られそうになる訳です。脳は心を守れない事態に直面します。そこで脳は、心を守るため、強制的に自分を失わせてしまうという最終手段を選ぶしかなくなります。それが感情の激発、無反応、意識の喪失、最悪自ら死を選ぶという行動になって現象するのです。

心を守れない事態となったとき、脳は不思議なメカニズムを発動し、強制的に自分を失わせてしまう。ですから、日本に封印されている謎の実体に迫ろうとすると……、女性の例と同様に、大混乱を引き起こし収拾がつかなくなるのです。

日本人は普通の世界の常識とは合致しないものをベースにして、一つの世界を構築していました。これを別の言葉で表現すれば、日本人は憑物が憑いた状態にある、と言えるでしょう。古来より憑くのは狐が多いとされますが、でも、なぜそんなことになったのでしょう?

繰り返しになりますが、そうしなければ、日本国と日本人は自分を存立させることができなかった。自律性のない日本人から、憑物=他律的集団主義を除去すれば、自律が常識であり普遍的であるこの世界の中で居場所を失います。

逆に言えば、居場所がなかったから、他律的集団主義という憑物が憑いた状態を維持するしかありませんでした。もし憑物落としをすれば、確固たるものだと思っていた世界が、あっという間に解体され崩壊するでしょう。だから、謎の実体を暴くのは不可能になるのです。

         ―日本人の特殊性の謎を解く その4に続く―
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