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秦氏の謎を解く その8


なぜ秦氏は平安期以降歴史の表から姿を隠したのか?今までの検討を経て、ようやくその謎を解明する段階に至ったようです。

秦氏は全国津々浦々の村人たちを心的に呪縛しました。心的呪縛を実行するには、何が必要でしょう?答えは簡単。まず、自らを芸能の徒、漂泊遊行の陰陽師や七道者に変容させること、次に村々を廻ることです。

彼らは……、村々を廻りました。多種多様な異人に変容した秦氏が、全国の村落共同体に外部から入り込んだのです。それが漂泊遊行の者たち。唱文師、陰陽師、アルキ神子、三昧聖、肝心聖、鉦打、鉢叩、里山伏、歌比丘尼などですね。

秦氏配下の芸能の徒、遊行者は、村において様々な芸や技を披露しました。村には娯楽がほとんどありません。人々は、面白い芸や奇術に心が麻痺します。心的に暗示を受けやすい状態となるのです。

そこで、巫女や陰陽師が村人たちに幻術にかけます。言い換えれば彼らを心的に呪縛するのです。これは神のお告げ―とか言って……。

例えば、この話を村の外に漏らすと、お前たちに災いが降りかかる。村から勝手に出てはいけない。余計なことを考えると家族全員が不幸になる―といった具合ですね。秦氏による心的な呪縛によって、猿田彦の空間に対する結界が機能し、村は完全な閉鎖共同体になったのです。

秦氏は何かから(つまり聖櫃から)意識をそらす呪=暗示を村人にかけました。だから、村人が村落共同体から逸脱しようとすると、つまり禁忌を犯そうとすると、心的な呪縛が起動して自己を失い動けなくなるのです。

その印象が村人の間に強く残り、狐が人を化かす怪異現象として伝わったのです。秦氏の人知を越える仕掛で、村人たちの意識の深層に強烈な暗示がかかります。彼らは何十世代にも渡って、狐の怪異を特に意識することなく語り伝えるのです。

村落共同体の共同幻想が何者かの手によって意図的に潜在意識下に組み込まれたら、これほど強い鍵はないでしょう。鉄の鍵は何年もすれば錆びて使えなくなります。けれども、心の中に組み込まれた鍵を開くのは、簡単そうに見えて実は困難を極めるのです。それが日本中の村で行われたら、何世代も経るうちにある特定の観念や考え方が、当人でさえ意識することなく後世に伝わっていくでしょう。これが時間領域の封印です。

秦氏の呪縛は時間領域にまで及んでいました。日本の全領域(空間領域、心的領域、時間領域)が封印され、閉じられたこの時点が日本の特異点であり、物質の世界、生命の世界、心の世界に続く第四の世界(他律的集団主義の世界)が開けた地点でもあったのです。


狐は理解不能な出来事の説明体系などではなく、村人たちを心的に呪縛する統制装置でした。だから、稲荷社は3万2千社を越える数が日本全国に分布し、村の辻などに設置された小さな祠も併せれば、無数にあるのです。

伏見稲荷大社の稲荷信仰、日吉大社の山王信仰、宇佐八幡の八幡信仰などが貴族階級から民衆にまで深く浸透していくのも全く同じ構図で、ある存在から目をそらさせるための仕掛けです。葵祭りや祇園祭が盛大に行われるのも、同じ意味と機能を持つでしょう。

貴族や官僚、伊勢神宮など国家の上部構造に対する聖櫃の秘匿は、天武天皇が構築した表の国家的支配体制をベースに、秦氏が裏で陰陽五行の結界を張って実施しました。

一方、全国の村々など下部構造の民衆に対する秘匿は、村落共同体内部まで貫徹した神道・仏教体制をベースに、猿田彦の道祖神が結界を張り、秦氏が自らを漂泊遊行の徒、下級陰陽師、傀儡子、役者、巫女などに変容させ、村人に対し心的コントロールを施します。これにより全国的な聖櫃の秘匿体制が整備されたのです。

一般的に、漂泊遊行の徒は権力から排斥され零落した下層民とされますが、酔石亭主の見方は全く逆で、彼らは、聖櫃の秘匿という大きな使命を担って全国に散った者たちでした。もちろん実行部隊は、その目的など一切知らされていません。

秦氏が平安時代以降歴史の表から姿を消し、猿楽や漂泊遊行の徒に変貌したのは、日本全国の人々の目から聖櫃の存在を隠すためだったのです。

いかがでしょう?秦氏や猿田彦の行動の意味するところが、日本人の特殊性とリンクし、具体的な像を結んできたと思われませんか?

            ―秦氏の謎を解く その9に続く―
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