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行き詰った日本外交に思うこと

日々の雑感
11 /09 2010

昨日の日経新聞のコラムに、「日本外交の軸を立て直せ」というタイトルで記事が出ていました。その中で、例のルーピー前首相に関して、「展望もないまま普天間基地の沖縄県外、海外移設を唱えた罪は極めて重い」と書かれています。先日も何かの記事で罪は重いとありましたので、日経はよほどルーピー氏に腹を据えかねているようです。

通常この種の記事は、「責任は極めて重い」、という表現を使うはずですが、それが罪となっているところに問題の根の深さが窺えます。責任が重い場合には責任を取って首相を辞めるなり、国会議員を辞めるなりすれば済むことです。

しかし罪の場合には、それが法律的には処罰の対象になるということです。酔石亭主の記事ならともかく、大新聞のコラムに「罪が極めて重い」と書かれていることの重みをルーピー氏はどう受け止めているのでしょう?想像するに多分、「日経なんて供給者側に立っている新聞だから僕知らないよ」といった反応しか出てこないと思います。

ただ、ルーピー氏が言っていたことが必ずしも間違っているという訳ではありません。日本はいつまでも米国の傘の下でぬくぬくしていていいはずがなく、沖縄の米軍に海外移設してもらっても構わないと酔石亭主は考えます。

その場合、もちろん幾つかの前提が必要です。米軍が引くことによって低下した日本の防衛力をきちんと強化すること。また核装備はどうするのか、集団的自衛権はどうするのか、憲法は改正するのか、といった難しい諸課題について十分詰めた上で、国民のコンセンサスも得て、日本としての方針決定がなされていることです。

ルーピー氏はそうした具体的・現実的プロセスを全く抜きにして、というか考えることも頭に浮かばず口先だけで語るから、中国やロシアに付け入るすきを与えてしまい、罪になるのです。相手国が付け入る隙のない体制を構築した上で、米軍頼みから脱却するなら、ルーピー氏の考え方でも納得できるはずで、ああまで日経からこき下ろされることはないでしょう。

いずれにせよ、米国の力が衰えている状況から、米軍が近い将来グアムのラインまで下がる可能性は否定できません。米軍という傘がなくなった中で日本はどう自国を守るのか、それを真剣に考えるべき時がもう来ているのです。外交面の軋轢が高まっている現在を、そのためのシミュレーションを行う好機と捉えれば、災い転じて福となすことができるはず。ただ、前、現総理ともに自分が日本の最終・最高責任者であるという自覚に欠けているので、好機は駆け足で逃げていくのでしょうね。
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酔石亭主

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