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日本国の将来を考える その7

日本国の将来を考える
01 /14 2011

前回で国・地方の税収に対して過剰な人件費が支出されていると書きました。近く阿久根市において市長選があり、職員給与の一覧もネット上に公開されているので、これを例に取って見ていきたいと思います。

阿久根市の職員数は平成20年で244人、税収は約20億円で、これに対し人件費が23億円となっています。また年収7百万円以上の職員が54%いるとのことです。7百万円は職員給与なので人件費としては9百万円以上になるでしょう。

一方市議会議員数は16人で年間給与は4百万円前後になるようです。議会・委員会などの年間開催日数は40日程度とされるので、日当では10万円、一日8時間としても時給12,500円というべらぼうな金額になってしまいます。これに対し、竹原前市長は日額1万円の日当制を導入し、定例会や各委員会などに出席するごとに支給するとの専決処分を実行しました。他に政務調査費もあったようですが、私的流用が多数あり廃止されたとのことです。

竹原前市長の政治姿勢には疑問もありますが、阿久根市民の平均年収が2百万円以下の現状を考えると、市長の決定はごく当たり前のことと思えます。問題はそうした市の現状を見て見ぬふりをして高い給与を受け取っている公務員や、それを変えようとしない議員の側にあるはずです。議会と市職員が自らを変える姿勢を見せ、直ちに実行すれば前市長も専決処分を連発する必要はなくなるでしょう。

前市長は独裁者だとする向きもあるようですが、独裁者とは自分と一族、取り巻きの利益のために国民や市民を犠牲にする人物を意味しています。その典型がかの将軍様です。市の財政を考え、自らの給与や議員の給与を削減しようとする人物を独裁者とするのは、言葉の定義からしても間違っています。

では、市の税収から見た職員給与はどれほどが適正なのでしょうか?仮に税収に対し4割が適正とすると、8億円になります。8億円を244人で割ると3.3百万円なので、支給する平均給与としては2.8百万円になります。これでは食べていけないとの声も出るでしょうが、それが現実であるということを踏まえ、業務の徹底的な効率化、外部委託などを推進して職員数を削減し一人頭の給与を確保するしかありません。企業では当たり前に行われていることです。

阿久根市の場合地方交付金、補助金などを含めると百億円程度の歳入になり、だから現在の公務員給与は適正との意見もあります。しかし、国自体が41兆円の税収に対し歳出が92兆円にもなる現状を考えれば、地方は身の丈に合った運営をするのが当然でしょう。

阿久根市ばかり例に出していますが、20億円の税収に対して23億円の人件費と似たような状態が全国で見られるはずです。これを日本全体で考えてみましょう。阿久根市は小規模な市ですが、市の規模によって税収に対する人件費の割合は変動するので、全市町村について税収に対する総人件費額を算出し、実態がどうなっているのかチェックする必要があります。それを全国民に提示して適正なものであるかどうか、判断を仰ぐ必要があるのではないでしょうか?

そうした公務員の人件費総額が政府によれば27.5兆円とのことですが、準公務員や物件費で計上している臨時職員、天下り職員、地方議員の人件費を合算すれば、一体どれほどの額になるのか見当もつきません。国・地方の総人件費を算出するのは難しいことではないので、直ちに実行していただきたいと思います。(以前民主党松岡議員の主張する公務員給与60兆円を引用しましたが、これは過大な見積もりのようです)

仮に上記の総人件費(国・地方の議員・公務員・その他などに支払われている人件費の合計)を35兆円とした場合、国の税収に近い額が人件費として支出されていることになります。もしこれを4割削減できれば、14兆円が浮いて来る計算になります。消費税額1%が2.5兆円なので、5%以上の消費税に相当する分がねん出できるのです。

しかしこれでも少子高齢化の急速な進展、社会保障費の増大を考えると不十分でしょう。その場合には、十分な説明と共に消費税の引き上げをすればいいのです。この段階で消費税引き上げに反対する国民はほとんどいないと思います。

以上の検討から、民主党が消費税を引き上げる前にまずすべきことははっきりしました。直ちに全国市町村の総人件費を集計し、適正給与額を決定して削減することです。党の支持団体が反対して削減できないまま時間が過ぎれば、IMFの管理下に入り、より厳しい公務員の大幅人員削減、給与削減、年金カットなどが待ち受けています。そうなる前に自ら決断をすること。それが民主党いや全政党と国・地方の議員・公務員に求められているのです。

国と地方は自ら身を切ることができるか、それが日本再生の大きな鍵になるのです。民主党はマニフェストの第一番に、税金の無駄遣いの根絶を挙げています。その本当の意味は上記を実行することなのです。もう残された時間はありません。民主党は、これ一つだけでも即刻実行してください。

もちろん、流れに身を任せ自分で決断できない日本人の特殊な意識構造を変えるのは容易ではないでしょう。最後には、やはり外圧で変えるしかないのかもしれません。しかしカテゴリ「日本人の特殊性の謎を解く」で、なぜ私たち日本人がこのような意識構造を持っているのかは既に明らかにしています。そうした点も考慮に入れていただき、日本国の将来のための大英断を期待したいと思います。

財政問題の対策をまとめます。民主党は国・地方の公務員・議員の総人件費をまず14兆円削減すること。(総人件費が35兆円との推定においてです)これは民主党が検討している消費税5%引き上げを越える額に相当します。それでもなお不足する分は、消費税引き上げで対処すること。その上で経済活性化の諸施策を講じ、安易な増税ではない税収確保の政策を推進すべきです。

              ―日本国の将来を考える その8に続く―
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酔石亭主

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