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呪術都市鎌倉探訪記 その9


今回は十王堂橋を見に行きます。

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十王堂橋です。位置関係は「その8」の画像を参照ください。

北鎌倉駅から県道を大船方面に数分歩くと十王堂橋に着きます。小さな橋で意識しなければすぐに通り過ぎてしまうでしょう。十王堂橋の名前の由来は、この橋の近くに十王堂があったからとされています。十王に関しては以下Wikipediaより引用します。

十王(じゅうおう)とは、道教や仏教で、地獄において亡者の審判を行う10尊の、いわゆる裁判官的な尊格である。


十王は十尊を意味し、一般的には十王の一人である閻魔大王が中心となります。実は建長寺の先に円応寺というお寺があるのですが、ここには迫力満点の閻魔大王像があります。

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円応寺の解説板。

閻魔大王像は何度も見ていますし写真撮影はできないので、解説板のみとしました。

しかしです。北鎌倉の十王堂における中心人物(というか主祭神)は閻魔大王ではないと思われます。なぜなら十王堂は安倍晴明すなわち陰陽道に関係していると推定されるからです。では誰が主祭神なのでしょう?

北鎌倉十王堂の主祭神。それは、陰陽道の最高神・泰山府君だと思います。泰山府君に関しては以下Wikipediaより引用します。

太山府君(たいざんふくん)は、十二天の一人焔摩天に従う眷属の一人。中国の泰山の信仰と結びつき泰山府君とも書かれ、道教では東嶽大帝(とうがくたいてい)とも呼ばれる。
…中略…十王信仰に取り入れられ、十王のうちの太山王(泰山王)となった。また陰陽道の主祭神でもあり、安倍晴明が使ったとされる陰陽道の最高奥義泰山府君の祭は死者を蘇らせる秘術である。


死者を蘇らせることから泰山府君は閻魔大王と同一視されますが、安倍晴明が執行する陰陽道の祭祀に閻魔大王を祀るものはないはずで、主祭神は泰山府君であろうと推測されるのです。

十王堂は橋にその名を残すのみとなりましたが、円覚寺の桂昌庵に祀られている木造十王像は十王堂にあった像と伝えられ、十王の一人閻魔大王にちなんで閻魔堂とも称されています。

ちなみに、安倍晴明と閻魔大王の関係は真如堂の伝説に見られます。真如堂本尊脇立の不動明王像は安倍晴明の念持仏ですが、晴明が逝去した際、不動明王が閻魔大王に命乞いをしました。閻魔大王はこれを聞き届け、晴明は生き返って85歳の長寿を全うしたのです。

泰山府君はまた牛頭天王とも同一視されています。十王堂にあった晴明石が牛頭天王の御旅所である天王屋敷に移され、最後に牛頭天王を祀る八雲神社に置かれたのは、単なる偶然ではなく必然であったのです。言い換えれば、晴明石自体が泰山府君を象徴するものだったのです。

死者をも蘇らせる泰山府君が晴明石だとすれば、八雲神社は鎌倉最強のパワースポットになる資格がありそうです。しかも泰山府君は、太一神(北極星を神格化したもの)とも同一視されていました。安倍晴明と北鎌倉。[水]に加えて、[北]が安倍晴明を探るキーワードになりそうな気配です。

十王堂橋近くには陰陽道の最高神・泰山府君を祀る十王堂があり、かつ晴明石が置かれていた。だとすれば、晴明の屋敷もまたこの場所となるはずです。それどころか、自分の屋敷内あるいは周辺に、晴明自身が十王堂を建てた可能性すら窺えます。

しかしそれを証明する史料・文献などはどこにもありません。このような場合、周囲の状況や地形からあれこれ推測することが可能です。ということで、橋から川を見てみましょう。

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小袋谷川です。ちょっと気になるものが…。

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上流部に廻って撮影した写真。

橋から見ると上流部でTの字になっています。川の合流地点がこのようにT字になっているのは珍しいですね。人工的にT字形を作ったのかもしれません。いやきっとそうです。それが安倍晴明屋敷の存在証明になるかも…。

この問題は次回に検討するとして、周辺を散策してみましょう。いかにも鎌倉らしい路地が現れます。

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渋い雰囲気ですが、大学の学舎です。

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両側が竹垣で緩やかなカーブを描く路地。

鎌倉全域がこの雰囲気を残していたら素晴らしいのですが…。

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お稲荷さん(山仲稲荷)へと続く道。

距離は短いものの、竹垣や生け垣などに風情が感じられます。山仲稲荷に関しては創建の由緒など全く不明です。お稲荷さんの鳥居は通常赤く塗られているのですが、山仲稲荷の場合は石の鳥居で、ちょっと珍しいですね。

            ―呪術都市鎌倉探訪記 その10に続く―

注:「その10」の記事が消えてしまったため、再度アップしました。従って「その10」は「その14」の次となりますのでご了承ください。

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