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富士山麓の秦氏 その17


前回で見てきた高知市の周辺には、海人系地名の明見と高天ヶ原山があり、徐福伝承があり、秦氏の痕跡が多数残っていました。高知市一帯においては、海人系、徐福、秦氏が重なっているのです。

一方、大明見の阿祖谷にあった阿祖山太神宮の阿祖は海人系の名前であることから、富士高天ヶ原王朝の実体は海人系のものかもしれないと以前に書いています。そして大明見周辺には徐福伝承があり、秦氏の痕跡があるのです。

以上から、高知市におけるメンバー構成は富士山麓と全く同じでした。また東三河でも同じ構成が見られるのは、既に書いたとおりです。これらは単なる偶然でしょうか?決して偶然ではないはずです。三者の動きが必然だとすれば、海人系の案内で徐福一行が各地を移動した、徐福伝承を担った秦氏も同じルートを移動したと考えても違和感はありません。但し徐福に関しては、彼の渡来を証明する遺物が何も出ていないため、その可能性を示すだけに止まっているのです。では、大明見に戻りましょう。

今回は阿祖山太神宮跡地を探るため、大明見にある古い痕跡や神社の総当たりです。富士山北東本宮浅間神社を出て718号線(鐘山通り)を背戸山に向けて走ります。すると明日見第一駐在所の信号に至ります。ここから奥は富士吉田市の方もあまり立ち入らないとされる、言わば関門に駐在所がある訳です。


大きな地図で見る
駐在所の位置関係を示すグーグル地図画像。

信号で右折すれば、いよいよ大明見の深部へと向かうことになります。少し走ると道はV字に分かれ、道祖神が見上げるほど高い位置に置かれています。

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道祖神。

通常は路傍に置かれているものが高い位置にある。これも大明見を結界とする仕掛けのように思えてなりません。左の不動湯方面の案内がある方に進みます。

道祖神を過ぎると道路は急に狭くなり、杓子山から流れ出す小河川(古屋川)の土手に沿って走ります。

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古屋川沿いの光景。

背戸山の南斜面には墓地が点在し、山の上も平場になっているようです。何か遺跡があるかもしれないので、今回は無理としてもいずれまた訪問してみようと思います。多分背戸山だけで半日程度歩きまわる必要があるでしょう。そして…、古屋川の右手に案内板が見えています。何かあるのでしょうか?ひょっとしたら阿祖山太神宮…?

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案内板。

残念ながら阿祖山太神宮ではありません。そんなに早く出てきたら記事も早く終わってしまいます。

案内板によれば、一帯は縄文から平安時代にかけての遺跡が多数残る古屋敷遺跡とのことです。古屋敷と言う地名でピンと来るものがあります。「その15」にある北東本宮小室浅間神社の解説板を参照してください。この神社の前身である阿祖山太神宮は古屋敷に鎮座していました。案内板は、富士高天ヶ原王朝の中核である阿祖山太神宮が近くなっている事実を示していたのです。古屋川も古屋敷から取られた名前でしょう。

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案内板から見た古屋敷遺跡と親鸞聖人の顕彰碑の場所(石柵の内部)。

いかにも古代人が好みそうな南面の傾斜地です。古い社はこうした縄文から続く遺跡のある場所に建てられるのも定番です。親鸞聖人まで訪れているのですから、大明見は超ド級の聖地であると理解できます。

親鸞聖人顕彰碑の場所に天照大神の石碑もありました。

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石碑。阿祖山太神宮の創始は天照大神とされています。

さらに奥へ進むと南面傾斜地に社が見えます。

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社に登る途中から見た背戸山。一帯に縄文から平安時代に至る遺跡があるのです。

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社。グーグル画像を拡大すれば確認できますが社宮地神社です。

南面傾斜地を構成する背戸山の尾根は背後の杓子山から派出しています。社宮地神には多数の音と表記があり、杓子神とも書きます。杓子山と社宮地神社の名前は明らかにリンクしていると理解できます。

そして諏訪における社宮地神は諏訪大社の最も古層をなすものでした。それが社宮地神=ミシャグジ神です。

ミシャグジ神に関しては以下Wikipediaより引用します。

ミシャグジ信仰は東日本の広域に渡って分布しており、当初は主に石や樹木を依代とする神であったとされる。地域によっては時代を経るにつれて狩猟の神、そして蛇の神で蛇の姿をしているという性質を持つようになったと言われている。その信仰形態や神性は多様で、地域によって差異があり、その土地の神や他の神の神性が習合されている場合がある。信仰の分布域と重なる縄文時代の遺跡からミシャグジ神の御神体となっている物や依代とされている物と同じ物が出土している事等からこの信仰が縄文時代から存在していたと考えられている。
諏訪地方では特に諏訪の蛇神であるソソウ神と習合されたためか白蛇の姿をしているともいわれており、建御名方神や洩矢神(モレヤ神)と同一視されることもある。また御社宮司、御左口など多くの漢字があてられる。

現在でも諏訪大社における神事の多くはミシャグジを祭神として執行されています。ミシャグジ神関連は「千畳敷カールへ行きました その1~3」(2010年7月27日~)に詳しく記載しましたのでご参照ください。

諏訪大社の深層部である社宮地神社が大明見に出現しました。富士山麓においては諏訪神社と浅間神社がペアになっているケースが多いのは既に見てきた通りです。とすれば、すぐ近くに浅間神社の深源すなわち阿祖太神宮もあるはず。でも、その前に社宮地神社周辺を詳しく探索します。

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神社裏の石祠。これが本来の社宮地神でしょうか?

祠の先には何体もの石像が…。

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石像の集団と石碑です。これは一体何でしょう?まず石碑を見てみます。

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石碑。

大山守皇子と刻まれていました。彼は応神天皇の子供で宮下と名を変え、子孫は代々阿祖山太神宮の大宮司を務めています。大山守皇子とその子孫の宮下氏は阿祖山太神宮の大宮司ですから、ここに皇子の石碑がある意味は明らかです。すると、石像は大山守皇子のものである可能性が高い…。

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石碑の隣の石像です。

とても奇妙な石像で、玉を手に抱いています。こんなものは今までに見たことがありません。朝鮮半島には始祖の卵生伝説があります。江の島で見たように、玉を抱くのは龍でもあります。しかし、大山守皇子は卵生伝説・龍伝説に関与していないはずで、玉とすれば辻褄が合わないのです。

もしかしたらこれは桃かもしれません。道教では3千年に1回しかならない桃の実を食べると、不老長寿が得られるとされています。道教の方士である徐福は、阿祖太神宮で宮司から聞いた話を漢字に筆録し、それを保管し続けたのが大山守皇子の子孫である宮下家です。

(注:宮下家の第82代宮司さんが最近お亡くなりになられたようです。合掌。丹後の籠神社の海部氏も確か82代のはずですから、どちらも恐ろしく古いことになります。海人系の両神社宮司が期せずして同じ代と言うのも極めて不可思議ではあります)

そして大山守皇子は不老長寿薬を求め日本に渡来した徐福の祠を小明見に建てたとされます。これらを総合すると、大山守皇子の石像が手に抱いているのは桃と考えられるのですが…。

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別の石像です。

これも実に変わったお顔です。頭の瘤は何を意味しているのでしょう?頭の感じが何となく兵馬俑にも似ているような…。

なお日本武尊も大明見に宮を建てたとされます。この宮は四方より下り坂下の宮であったので、坂下の宮と言われました。もう少し古屋川を上流に進むと谷は狭まります。多分、阿祖山太神宮の手前辺りに坂下宮があったのでしょう。期待しながら、さらに奥へと進みます。

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背戸山の南斜面。のどかな聖地と言う感じです。

背戸山の意味は裏の山です。つまり、富士山の裏の山を意味しているのです。この使い方は幾つか見られ、昔の巨大湖であった背の湖は富士山の裏の湖になります。また山梨県の八代町は山背で、背戸山と同様の使い方です。秦氏が開拓した京都も山背国でしたが、これは大和国から見て山の裏側に当たることからそう名付けられました。これら独特の命名にも秦氏の関与があるかもしれません。

大明見には実在、伝説も含め本当に様々な人物が登場しています。今回は写真の枚数が多く文章も長めだったのですが、まだ本丸の阿祖山太神宮に辿り着けません。ここは富士高天ヶ原王朝の中心地。簡単に謎は解かせないぞと古代人が踏ん張っているのかもしれませんね。ロールプレイングゲームのようにあちこちでヒントを拾いつつ、最後に本丸に辿り着ければと思っています。

                 ―富士山麓の秦氏 その18に続く―
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