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新田義貞鎌倉攻めの周辺 その8


稲荷神社前まで戻り左折して少し歩くと、大庭神社旧跡に到着しました。

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旧跡を示す石碑。

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解説板。

板なので風化してボロボロです。内容は以下の通りです。

この神社は御霊社又は権現社とも呼ばれています。ここが式内社の大庭社旧跡とされたのは江戸時代(文化・文政)のことです。式内社は平安時代(醍醐天皇の時)につくられた延喜式(法律の一種)の神名帳に載せられている神社です。…以下略。

上記由緒に関して、権現社は熊野権現を意味していると思われます。神社の現社名は熊野神社で祭神は熊野久須比命となります。御霊社は村岡御霊宮から分社したもので、御霊社は鎌倉権五郎景政に関係があります。

景政は寺領であった大庭を伊勢神宮に寄進し、一帯は大庭御厨となりました。そしてすぐ近くの稲荷神社あたりには景政の馬繋ぎ場があったのです。そこから何が導き出せるでしょう?

元々この地には大庭の地主神を祀る大庭神社がありました。そこへ景政が移住したことにより、御霊社とも、権現社(熊野神社)とも呼ばれているのです。以上から、景政が大庭に移住するに当たり、熊野神社を鎌倉から勧請したと想定されます。そして、鎌倉の熊野神社の神宮寺が聖福寺でした。

だとすれば、聖福寺、熊野神社、鎌倉権五郎景政は三点セットになっていると考えられます。もちろん、聖福寺の創建は北条時頼(1226年~1263年)とされており、景政(1069年~没年未詳)の時代とは離れています。この問題をどうクリアすればいいのでしょう?さらに景政が熊野神社を鎌倉から勧請したと言うのも、単なる推測に過ぎません。具体的な根拠が必要です。

難しい問題を考える前に神社を見ていきます。

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鳥居です。

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社殿です。

この神社は本来地元民が地主神を祀る大庭神社でした。ところが、鎌倉権五郎景政が大庭に移住して熊野神を祀ったため、地元の神である大庭の神が軽く扱われ消滅したのです。(現在の大庭神社は引地川親水公園の川を挟んで東側にあります)

では、鎌倉権五郎景政と熊野神社の関係を探りましょう。

あれこれ調べたところ、景政は山形の宮内熊野大社と関係を持っていました。同社の由緒に以下の記載があります。

十二所権現は、神話の天神(あまつかみ)七代、地神(くにつかみ)五代を祭っている。合わせて十二社という。当社の熊野宮は、寛治五(1087)年に、源義家公のご命令により、鎌倉権五郎景政が、紀州の熊野宮・有馬三所の大神・あわせて十二所の神様・那智・新宮から、十一所の御神体を勧請し遷し鎮めて、四海泰平をお祈りした。

以上から景政が熊野権現と関係を持っているのは明らかです。鎌倉にある聖福寺と熊野神社はセットになっています。大庭の熊野神社と景政はセットになっており、大庭に聖福寺があるとの説があります。

時頼と景政の時代が合わない点は別途検討するとして、縄文時代から続く大庭の地に景政が熊野神を勧請し、その神宮寺が聖福寺で稲荷神社が鎮座する台地か谷戸付近にお寺があったとすれば、話の筋は十分通りそうになります。

でも、困りましたね。聖福寺が稲村ケ崎近くの谷戸でなく大庭にあるとすれば、今度は新田義貞による鎌倉攻めの筋が通らなくなってしまうからです。それとも、聖福寺は鎌倉と大庭の二カ所にあったのでしょうか?再度ポイントを整理します。

鎌倉には景政の拠点があり、彼を祀る御霊神社が坂ノ下に鎮座し、坂ノ下から遠からぬ場所に「聖福寺新熊野」すなわち聖福寺と熊野神社があります。大庭にも景政の拠点があり、大庭神社旧跡は御霊社であり権現社(熊野神社)であり、聖福寺が付近にあったとの説があります。つまり、聖福寺に関連して鎌倉と大庭は全く相似形となっているのです。

ところが聖福寺を建立したのは北条時頼で、鎌倉権五郎景政とは200年近く時代が隔たっています。この錯綜した状況を解き明かすには、検討場所を鎌倉に移す必要があるでしょう。特に景政を祀る鎌倉坂ノ下の御霊神社周辺をしっかり把握しなければなりません。今回の検討はここまでとして、大庭の探索は一応終了します。

大庭神社旧跡の近くには冬のケヤキが…。

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昨年末撮影のイチョウ同様に葉を付けています。(この写真も昨年末のものです)

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もう一枚。

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リスもいました。台湾リスがここまで進出したのでしょうか?

次回は坂ノ下一帯を探訪します。
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