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熱田神宮の謎を解く その13 補足


「その11」で建稲種命はスサノオノミコトであることを検証しました。しかし、あの内容だけでは不十分と思われます。なので、あれこれ再考してみることに…。

まず尾張側の史料によると、建稲種命は十握剣と関連付けられている点に着目します。建稲種命がスサノオであれば、スサノオと十握剣が登場する場面を拾うことでヒントを得られるかもしれません。と言うことで、「古事記」における記述を見ていきます。

時代は神代ですが、暴れ者のスサノオは姉の天照大神に挨拶してから根の国へ行こうと思い高天原へと向かいます。すると国土が皆震動したので、アマテラスはスサノオが高天原を奪取しに来たと勘違いして、弓矢を携えて彼を迎えます。スサノオは疑いを解くため誓約(うけい)をしようと持ちかけました。誓約は天の安河を挟んで行われます。

アマテラスはスサノオが献上した十握剣を受け取って噛み砕き、ブッと吹き出します。すると、アマテラスの息から三柱の女神(宗像三女神)が誕生したのです。宗像三女神は宗像大社に祀られている神で、以下の三人となります。

多紀理毘売命(たきりひめ): 別名は奥津島比売命(おきつしまひめ)。沖津宮に祀られる。
市寸島比売命( いちきしまひめ):別名は狭依毘売命(さよりびめ)。中津宮に祀られる。
多岐都比売命( たぎつひめ):辺津宮に祀られる。

アマテラスを除けば、この場面でスサノオと十握剣、宗像三女神が登場したことになります。宗像三女神は秦王国である豊前国の宇佐神宮に手も祀られています。詳細は宇佐神宮のホームページを参照ください。
http://www.usajinguu.com/lineage.html

一部分を抜粋します。

宇佐の地は畿内や出雲と同様に早くから開けたところで、神代に比売大神が宇佐嶋にご降臨されたと『日本書紀』に記されています。比売大神様は八幡さまが現われる以前の古い神、地主神として祀られ崇敬されてきました。

宗像三女神が八幡神より古いことになります。ただ、応神天皇と併せ祀られているところに何らかの事情が垣間見えそうです。いずれにしても、十握剣と関係のあるスサノオ(=建稲種命)の子が宗像三女神でした。そこで、応神天皇の時代における建稲種命の子孫に宗像三女神に相当する人物がいないか探ってみます。

建稲種命は既に書いたように、丹羽氏の祖である大荒田命(おおあらたのみこと)の娘玉姫と結婚します。そして生まれたのが尻綱根命(しりつなねのみこと)で、彼は応神天皇の大臣となりました。早速、応神天皇の時代と関連してきたようです。

建稲種命の娘・志理都紀斗売(しりつきとめ)は景行天皇の皇子である五百城入彦皇子の妃となり、品陀真若王(ほんだまわかのみこと)生みます。その下の娘である金田屋野姫命(かねたやねのひめのみこと)は何と品陀真若王の妃となり、三女王(ひめみこ)を生みます。3人は驚くべきことに、応神天皇の妃となるのです。(注:応神天皇の名前は品陀和気命(ほむだわけのみこと)なので、実際は天皇の父が品陀真若王とも考えられます)

三人の名を挙げると、第一王女が高城入姫(たかきのいりびひめ、「古事記」では高木之入日売命、たかきのいりひめのみこと)、第二王女は仲津姫命(なかつひめ、「古事記」では中日売命)で応神天皇の皇后となります。第三王女は弟姫(おとひめ)でした。

高城入姫(たかきのいりびひめ)は明らかに多紀理毘売命(たきりひめ)と対応しています。仲津姫命(なかつひめ)は中津宮に鎮座する市寸島比売命(いちきしまひめ)と対応しています。弟姫(おとひめ)の弟は末娘を意味し、「古事記」で第三女とされる多岐都比売命(たぎつひめ)に対応します。

それにしても、なぜ品陀真若王の三女王の名前が宗像三女神と特定しにくいような表記となっているのでしょう?理由はただ一つ。品陀真若王こそがスサノオだったからです。神話の世界の登場人物であるスサノオが、応神天皇の皇妃の父であっては記紀のストーリー全体が崩壊してしまう。だから、ヒントは残しつつもわからない形で表記したのです。

宇佐神宮においては、725年(神亀2年)、聖武天皇の勅願により八幡神(応神天皇)が祀られ、同神宮の創建となりました。八幡神が祀られた6年後の731年(天平3年)、二之御殿が造立され比売大神(宗像三女神)が祀られました。神功皇后を祀る三之御殿は823年(弘仁14年)に建てられています。

なぜ宇佐神宮において応神天皇のお隣にスサノオの娘である宗像三女神が祀られているのでしょう?理由はもう明らかですね。三女神は応神天皇の皇妃だったからここで祀られているのです。しかも、比売大神は三つの御殿の真ん中に祀られ、最も格が高い位置にあります。その理由は比売大神がアマテラスとスサノオの娘であったからです。

なお、比売大神の実体に関しては様々な議論があります。以下のホームページに詳しく記載されているので参照ください。
http://homepage3.nifty.com/washizaki/kodaisinoumi1.pdf

以上、建稲種命の孫に当たる品陀真若王がスサノオであったため、品陀真若王が実質的な尾張氏の祖である建稲種命に置き換えられて、尾張側においては建稲種命=スサノオとなったのです。

ずっと以前に読んだ本で推理小説家高木彬光さんの「古代天皇の秘密」(角川書店)があります。現在手元にないのですが、確か品陀真若王がスサノオだとの記述があって(記憶違いならごめんなさい)、それがこの記事のヒントになりました。


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