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熱田神宮の謎を解く その41

熱田神宮の謎を解く
04 /01 2013

今回は、土岐市鶴里柿野と山県市柿野のどちらが本当の柿野なのか比較検討してみます。

神社の数としてはどちらも同じ3社ですが、伝承の内容は山県市柿野が圧倒的に充実しており具体性もあります。また大碓命の子である押黒弟日子王は牟宜都君等之祖であり、山県市も武儀郡のお隣ですから整合性もあります。でも、なぜこのような山中に来たのか理由がわかりません。さらに、遠く離れた猿投山に行く理由も必然性も感じられないと言う問題があります。

土岐市鶴里柿野の場合はどうでしょう?こちらもかなり山の中のようですが、当時は瀬戸市近くまで海が入り込んでいた可能性があります。詳細は「その4」を参照ください。大碓命が海路で瀬戸近くまで行き、そこから鶴里柿野まで陸路と考えれば、海から遠い距離ではありません。また、鶴里柿野は日本武尊が東国征伐の帰途、信濃国から美濃国に抜けるルートに近そうに思えます。

信濃国から美濃国に抜けるには恵那山の信濃坂(現在の神坂峠)を越えます。その後は土岐川に沿って下った可能性があります。


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恵那山から土岐川にかけての一帯を示すグーグル地図画像。

このルート上に日本武尊の伝説が存在しないかチェックしてみます。すると…、土岐市土岐津町土岐口1575―1に熊野神社が鎮座していました。早速行ってみましょう。


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鎮座地を示すグーグル地図画像。

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熊野神社の鳥居です。

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解説板。

「熊野神社は、日本武尊が信濃の山地を平定し尾張の熱田に帰られるとき日が暮れてしまい、ここで駐泊なされたことから「日暮らしの宮」とも言われます。」と書かれています。また奈良時代以前から神霊を招き降ろし祭を行う磐境の聖地だったとのこと。

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確かに大きな岩がありました。花崗岩です。

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拝殿。

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拝殿と本殿。

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拝殿左手の山。盛り上がり具合が古墳のように見えます。

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登ってみると、やはり古墳でした。

石室がしっかり残っています。天井部分はありませんが…。熊野神社1号古墳と言うそうです。

JAとうと」のホームページには土岐市肥田に鎮座する八剣神社に関して以下の記載があります。

当地は、日本武命(やまとたけるのみこと)の東征の道筋にあったため、命(みこと)を祀る神社や伝説も多くあります。当神社では、往古より祭礼には命(みこと)を偲んで「白い水鳥」を必ず供えたという言い伝えがあります。

「JAとうと」のホームページは以下を参照。
http://www.jatouto.or.jp/life/guide_toki.html

熊野神社の土岐川を越えた北側は久々利ですが、この地は「日本書記」によると景行天皇が美濃の女を得ようとして泳宮(くくりのみや)を建てたところです。


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久々利の位置を示すグーグル地図画像。

さて、以上から何が推定されるでしょう?恵那山の神坂峠を越えて土岐川を下った日本武尊は土岐市の熊野神社に駐泊しました。神社から土岐川の支流である妻木川を遡り、八剣神社が鎮座する下石町を経て19号線を南に下れば鶴里柿野の白鳥神社に至ります。土岐市肥田の八剣神社から肥田川沿いに69号線を南に下れば土岐市白鳥の白鳥神社に至ります。

つまり、土岐市鶴里柿野一帯に鎮座する3社の白鳥神社は、日本武尊の移動ルートに接続し得る地であったのです。位置関係からすれば、土岐市鶴里柿野の柿野は日本武尊(小碓命)が大碓命を匿うのに適していると言えましょう。

さらに位置関係や伝承から探っていきます。鶴里柿野は猿投山の北東の鬼門に位置しており、山麓に鎮座する猿投神社は大碓命を祀っています。また猿投山には大碓命の墓まであります。同社社伝によると、大碓命は景行天皇の52年、猿投山に登る途中で毒蛇にかまれて薨去したとされます。

神社の伝承自体は山県市柿野が有力ですが、地理的な関係や猿投山の伝承からすると、大碓命が山県市柿野から猿投山に向かう必然性はなく、土岐市鶴里柿野から猿投山に向かうとしか考えられません。よって、大碓命は小碓尊(日本武尊)により鶴里柿野にかくまわれていて猿投山に登る途中で毒蛇に噛まれて亡くなったとするのが合理的なようです。

でもそうなると、山県市の柿野の地名や伝承はどう考えればいいのかと言う問題が出てきます。それは追って検討するとして、まずは猿投神社と猿投山に行ってみましょう。

                 熱田神宮の謎を解く その42に続く
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酔石亭主

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