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カキツバタ


カキツバタ(杜若)が咲く季節となってきました。実は愛知県の県花はカキツバタとなっています。なぜカキツバタが県の花になったのでしょう?その由来は安時代初期にまで遡ります。かの有名な歌人である在原業平が東国へと向かう途中、三河の八橋(愛知県知立市八橋)に立ち寄り、水辺に咲くカキツバタを見て以下のような歌を詠ったとされ、「古今和歌集」に収められています。

ら衣 つつなれにし ましあれば るばる来ぬる びをしぞ思ふ

「むかし男ありけり」で始まる「伊勢物語」(酔石亭主も若い頃全文を読みました)には、以下のように書かれています。

あづまの方へ友とする人ひとりふたり誘ひていきけり。三河の国、八橋といふ所にいたれりけるに、その河のほとりに杜若いとおもしろくさけりけるを見て、木のかげにおりゐて、かきつばたといふ五文字を句の頭にすゑて旅の心をよまむとてよめる

唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ


五七五七七の頭を続けると「かきつばた」となるように詠まれています。即興でこれだけの歌をものにしたとは驚くべき才能ですが、歌そのものの中にも二重三重の意味を持たせているようです。

唐衣に皺が寄る程着慣れて、東下りにも慣れた頃だが、長年連れ添って慣れている妻を残して、こんなところまではるばるやって来たものだなあ、と言った意味でしょうか。「はるばるきぬる」も衣を張る張る着る、東下りに遥々来る、の二つの意味を含ませています。他にも色々な意味を含ませた言葉をちりばめているようです。

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カキツバタです。

さて、八橋と聞くと京の銘菓「八ツ橋」が連想されます。調べたところ箏曲の祖とされる八橋検校にちなみ作られた煎餅が「八ツ橋」の始まりとされているようです。聖護院八ツ橋総本店のホームページは以下を参照。
http://www.shogoin.co.jp/gaiyo.html

ところが同じホームページの「菓銘のいわれ」には三河八橋の関連がはっきりと書かれています。内容は以下を参照。
http://www.shogoin.co.jp/iware.html

つまり銘菓「八ツ橋」の菓銘の由来にも、在原業平の歌同様、背後に二つの意味(八橋検校と在原業平の三河国八橋)が含まれていたのです。面白いですね。さて前振りが長くなってしまったので、愛知県の県花・カキツバタが咲く知立市八橋に行ってみましょう。


大きな地図で見る
場所を示すグーグル地図画像。

八橋かきつばた園(所在地:八橋町寺内61-1)は無量寿寺(むりょうじゅじ)の庭園です。 無量寿寺は臨済宗妙心寺派の寺院で、山号は八橋山(やつはしさん)。慶雲元年(704年) 慶雲寺として創建、弘仁12年(822年)密円により現在地に移転されています。

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無量寿寺の本堂を覆い隠すような松の巨木。

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立派な本堂。

ところで無量寿寺の無量寿とは永遠の命(限りない寿命)を意味しており、阿弥陀仏を表す言葉です。ここにお参りしたら無量寿が得られる功徳でもあればいいのですが…。でも仮にそうなると、永遠に働き続け収入を得る必要があり、そんなことには耐えられません。俗人である私たちは有量寿でよしとすべきでしょうね。
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