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大円山 最勝寺


津嶋神社を出るとお隣に小さなお寺がありました。大円山(だいえんざん) 最勝寺(さいしょうじ)です。天台宗に属し本尊は「古見地蔵菩薩」とのこと。

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最勝寺です。

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もう一枚。

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境内の大きな樹。

巨木とまでは言えないものの、狭い境内に一本だけすっくと立っているのが印象的です。

お寺の印象はやや荒れているような感じですが、実際にはとても古い歴史を持っています。寺伝によると天智3年(664年)役行者が開基し、天武3年(674年)僧光円が長泉寺を開山。その後行基が古見地蔵菩薩を作仏して安置したとのことです。かつては修験道と天台宗の両面を持ち七堂九院の大伽藍が整備されていたとされます。弘誓院の前身である長安寺は七堂伽藍が建ち並び、そこからさほど遠くない最勝寺も七堂九院の大伽藍とは驚かされました。しかも最勝寺は役行者や行基まで出てくるのです。

往古、阿久比の55号線に沿った丘陵の東向き斜面には数多くの神社仏閣がひしめいていたようです。タイムマシンでもあれば、過去の全盛期に行って神社仏閣が建ち並ぶ様子を見たくなりますが、もう少し時代を下った最勝寺には別の面白い話もあります。

東京・渋谷の地名は桓武平氏秩父氏の流れを汲む渋谷氏に由来し、渋谷には金王八幡宮が鎮座しています。金王八幡は当初渋谷八幡と称されており、渋谷氏の祖である河崎基家(=渋谷重家)によって創建されました。金王八幡宮に社名を変えたのは、重家の嫡男である常光が金剛夜叉明王の化身として生まれたとされ、そのニ字を取って「金王丸」を名乗ったことによります。金王八幡宮に関しては以下の同社ホームページを参照ください。
http://www.geocities.jp/ynycr674/

この渋谷金王丸常光(しぶやこんのうまるつねみつ)が生まれたのは永治元年(1141年)8月15日とされています。彼は後の土佐坊昌俊であり源義朝、頼朝親子に仕えた武将です。17歳の金王丸は、源義朝に従い1156年の保元の乱において大功を立て、武将としての名を挙げます。続く1159年の平治の乱において義朝は敗れ、長田忠宗を頼り知多半島の野間に立ち寄りました。

ところが長田忠宗の謀反により義朝は入浴中に襲撃され殺されてしまいます。義朝は最期に「我れに木太刀の一本なりともあれば」と無念の言葉を発したとされ、彼の終焉の地である野間大坊の境内には多数の木刀が供えられています。野間大坊に関しては以下のWikipedia記事を参照ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E9%96%93%E5%A4%A7%E5%9D%8A

Wiki記事の中に、「『大御堂寺縁起』には、天武天皇の時代に役小角が建立、聖武天皇の時代に行基により中興されたと伝えられる。」とあり、最勝寺と全く同様に役行者と行基が関与している伝説が存在します。何か関連性でもあるのでしょうか?

それはさて置き、平治2年(1160年)正月3日、金王丸は野間で殺された主君源義朝の首が京に送られるのを知り、首を取り返そうとして阿久比の古見堂地蔵まで来ました。その時不運にも、馬が病に倒れ前に進まなくなったのです。金王丸が地蔵菩薩に一心不乱に祈願すると病馬はたちまち平癒し、前に進むことができるようになったとのことです。

東京の渋谷と阿久比が渋谷氏で繋がっていたとはとても不思議ですね。土佐坊昌俊の屋敷は鎌倉市小町3辺りにあったようで、現在それを示す石碑が立っています。土佐坊昌俊屋敷跡に関しては以下を参照ください。
http://www.nikaido-kamakura.net/data01/186/186.html

義経と頼朝の仲が悪くなった結果、頼朝は昌俊に義経暗殺を命じます。京に出向いた昌俊は義経邸を襲いましたが失敗し、六条河原で斬殺されました。金剛夜叉明王の化身としては哀れな最期のようにも思えてしまいます。

以上のように、今の最勝寺は小さなお寺ですが、かつては様々な伝説や歴史に彩られていたのです。
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