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熱田神宮の謎を解く その33


前回における検討から物部氏のどんな移動ルートが浮かび上がるでしょう。まず、ニギハヤヒ(あるいは物部氏の遠い祖先)率いる本隊は九州から船で香川県に向かいます。よって香川県では天香山命が祀られています。香川からは本隊が河内経由大和に入り、高倉下の別動隊が熊野に向かいこの地に上陸します。そして高倉下は伊勢湾に入り北上、熱田台地に入ったと考えられないでしょうか?(注:このルートは遠賀川式土器の分布ともほぼ重なります)

それが、熊野に高倉下の伝説が存在し、熱田台地に鎮座する高座結御子神社に高倉下が祀られている理由です。ところがこの神社は尾張氏の熱田神宮摂社となっています。そうなった理由は次の通りと推測されます。

熱田台地において物部氏と尾張氏は当初共存していたと思われる。しかし、尾張氏の力が増し天香語山命と高倉下は尾張氏の系譜に組み込まれてしまい、高倉下を祀る高座結御子神社は熱田神宮の摂社となってしまった。

この推定なら鎮座地と移動ルートがうまく整合しそうに思えるのです。そして瀬戸内海のおける海上交通の要所は物部系が押さえていました。香川県を例に取ると、「旧事本紀」天神本紀には讃岐三野物部がニギハヤヒに供奉して天降ったとあります。(讃岐国三野は現在の香川県三豊市詫間町)

ここまでの検討で高倉下の出自に関しては何とか目星がつきました。もうこれ以上はないと思ったのですが、まだまだ表面をなぞったに過ぎないようです。高倉下の問題はもっと奥が深いので、話を遠賀川流域に戻します。

「天神本紀」に記される物部系の名前は頭に地名が付き、嶋戸物部、筑紫聞物部、芹田物部、筑紫贄田物部、筑紫弦田物部などありますが、いずれも遠賀川周辺地域となっています。

前回で書いたように、高倉下は剣神社(鎮座地:直方市下新入2565)において倉師大明神として祀られています。同じく筑前鞍手には鞍橋神社が鎮座しています。鞍手が何となく高倉下(たかくらじ)の「くら」と関係しそうに思えたので調べたところ驚くべき事実が判明しました。鞍手に関して以下日本辞典より引用します。

鞍橋君を祀る鞍橋神社が鎮座する地。古代からの郡名・筑前国「鞍手郡」。郡名は、欽明天皇の御代、百済を救援に行った筑紫国造が敵の騎馬兵の鞍の骨を射抜くほどの強弓の使い手であったことから、その功を称えて贈られた尊称「鞍橋(くらじ。矩羅膩)君」が訛った説、「クラ(崖。谷)・テ(場所を示す接尾語)」の意とする説、郡境の鞍形の山容に由来する説などがある。『鞍手町』縄文時代前期の貝塚、弥生時代前期の古江遺跡がある地。1955年、剣町、西川村、古月村の合併の際、郡名を採用した町名。

日本辞典ホームページは以下です。
http://www.nihonjiten.com/data/249486.html

鞍橋神社に関する鞍手町ホームページ
http://www.town.kurate.lg.jp/kankou/shiseki.html

要は鞍手も鞍橋も高倉下の「くらじ」と同じであり、この地に高倉下が祀られているのは偶然ではあり得ません。(但し、高倉下は神武天皇の時代の神であり、欽明天皇の時代とはかけ離れている)一帯の物部氏ゆかりの神社は以下のホームページを参照ください。筑前鞍手と筑前遠賀に数多く鎮座していると理解されます。
http://kamnavi.jp/mn/monomapnisi.htm

これら地名との関連からしても、高倉下は遠賀川流域を本貫地とする物部氏の一族とほぼ確定できそうです。彼らは遠賀川から出立し瀬戸内海を渡り、四国の香川県経由紀伊に上陸。さらに伊勢湾を北上し熱田台地に至ったのです。よって、熱田台地に最初に定着したのは物部氏であるとの説も正しいと理解されます。

上記の物部氏ゆかりの神社を見ると鞍手と遠賀に4社も八剣神社が鎮座しており、祭神は日本武尊のようです。八剣神社は主に尾張、美濃に集中していたはずですが、なぜ鞍手周辺地域にこれほど集中しているのでしょう?何かややこしいことがありそうな予感がします…。

                   熱田神宮の謎を解く その34に続く

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