尾張氏の謎を解く その61


今回は丹波における伊福部氏の痕跡を見ていきます。まずは、舞鶴湾と由良川に挟まれた半島へと車を進めましょう。すると形のいい山が見えてきました。丹後富士です。若狭富士よりはかなり小振りな印象ですが、富士の名に恥じないインパクトがあります。

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丹後富士(建部山)。標高は315.7m。

半島を北に進むと、舞鶴市青井に結城神社が鎮座しています。結城神社の結城は伊吹が転じたものと考えられ、かつては伊吹戸社と称されていました。また伊福部は五百木部とも書かれ、「いほきべ」などとも読まれており、それが転じたものとも思えます。位置的には田造郷に含まれています。祭神は春日大神、八幡大神、大日霊貴神で、伊福部氏とは関係なさそうな神様になっていました。創建時期や詳しい由緒内容は不明です。


結城神社の位置を示すグーグル地図画像。

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境内の前にある盆栽のような古木。

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鳥居です。

だだっ広い感じの前庭です。集会やお祭りの際に利用されているのでしょう。

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拝殿。

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結城神社の扁額。

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拝殿と本殿。

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杉の巨木。

でも、どうしてこんな場所に伊福部氏の痕跡があるのでしょう?神社の北西には槇山(まきやま)と言う名前の山が聳えています。槇は木の名前なので、槇の木が生えている山かとも思いましたが、この山名は伊福部氏と関係するのかもしれません。そう考えていいかどうか、幾つかの例を拾っていきます。

「古今和歌集」には、真金(まがね)吹く吉備の中山帯にせる細谷川の音のさやけさ、と言う歌があります。真金は金や鉄のことで、吹くとは金属を精錬する際に鞴(ふいご、送風装置)を使って風を送る作業を意味しています。

さてそこで、秋田県鹿角市八幡平には真金山川(まきやまかわ)が流れています。ここにはかつて白根金山があり、明治になってからは小真木鉱山と呼ばれ戦後まで操業していました。真金(まがね)が真金(まき)に変化し、真木に変わっていく経路が見えていますね。

武田信玄の甲斐は金の産出で有名です。山梨県には真木温泉(まぎおんせん)があり、近くの、山梨県大月市大月町真木には本沢鉱山がありました。詳細は以下を参照ください。
http://www8.ocn.ne.jp/~nari2/m/m/htAuBi/honzawaYAMANASHI.htm

以上から槇山の槇は木ではなく、真金が真木に転訛し、さらに真木が一文字となって槇に変化した金属に関係する名前と理解されます。それを証するかのように槇山には白杉鉱山があって褐鉄鉱、黄銅鉱や黄鉄鉱などが採掘されていたようです。こうした鉱石が存在する場所であったから、舞鶴市青井に結城神社が鎮座して伊福部氏の痕跡があったのです。なお丹後の鉱山に関しては以下のブログに詳しく書かれていました。
http://ameblo.jp/tankura/entry-10797521421.html#main

次回も伊福部氏の痕跡を探ります。

         尾張氏の謎を解く その62に続く
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