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エルサレムとは


早いもので今年も残すところあと僅かとなってしまいました。様々な分野で世界は激変しつつありますが、日本も2017年の後半はお騒がせなニュースに事欠かなかったようです。例えば、北朝鮮の核・ICBM開発問題。米国がイスラエルの首都をエルサレムに認定し、米国大使館をエルサレムに移転すると言った問題。テレビドラマの上をいくような富岡八幡宮惨殺事件、日馬富士による貴ノ岩暴行事件、松居一代の離婚騒動などです。もちろんこれらの中にはそこまで取り上げるべきかと思われる問題も幾つかあります。一方、酔石亭主として気になったのはエルサレムに関連する問題でした。

エルサレムのありようは中東における最も敏感で根深い問題であり、三千年も前からずっと続いていると言っても過言ではありません。ところが日本では遠く離れた場所でのいざこざ程度の認識しかなく、専門家以外ほとんど詳しい内容を知らないようです。それは酔石亭主も同じなので、あれこれ勉強しながら取り上げてみたくなりました。


エルサレムの位置を示すグーグル地図画像。

死海のすぐ西側に位置しています。この位置関係は重要です。

エルサレムがイスラエルの首都であるとの認定と米国大使館のエルサレム移転は、トランプ大統領が米国におけるユダヤ人の支持を取り付けるため強行した政策との印象が強いように思えます。ところがです。トランプ氏の共和党に対峙する民主党においては、1972年以降のほとんどの大統領選挙において、エルサレムはイスラエルの首都であり米国大使館をエルサレムに移転すると公約しているのです。

この背景にはユダヤ票と潤沢な選挙資金の提供があると見られますが、実はそれ以上に大きな背景がありました。米国のキリスト教徒で人口の三分の一を占めるのがプロテスタントです。その多くはユダヤ人が自分たちの国を築くのが聖書の予言の成就だと考え、エルサレムがイスラエルの首都であること、米国が大使館をエルサレムに移転することを支持しているのです。彼らを総称してキリスト教シオニストと呼びます。

シオニズムとはイスラエルの地(パレスチナ)に故郷を再建しようとするユダヤ人の思想・運動を意味し、「シオン」はエルサレムのシオンの丘を指しています。ユダヤ人(シオニスト)のシオニズム運動は聖書の以下の言葉に由来しています。

主はこう仰せられる。「わたしはシオンに帰り、エルサレムのただ中に住もう。エルサレムは真実の町と呼ばれ、万軍の主の山は聖なる山と呼ばれよう。」

またユダヤ人のシオニズム運動は移民国家である米国の建国精神やフロンティア精神に通底するものがあり、こうした諸状況からトランプ大統領の決定には一定の支持が集まっているのです。

ただ、旧約聖書に描かれる正統なイスラエルの民はセム(黄色人種)系であり、一方現在のユダヤ人はその多くがロシア東欧からの移住者で白人です。正統なイスラエルの民の末裔ではない人たちがエルサレムを自分たちが神から与えられた永遠の都と考えることには疑問も感じられます。

トランプ大統領の決定をイスラエル側は歓迎するものの、パレスチナのみならず、アラブ諸国や欧州など世界各国が強く反対しています。現に反対するデモなどで死者も出ているようですが、対立が中東戦争にまで発展する可能性は低そうです。

ユダヤ人がパレスチナに入りイスラエルを建国する前はパレスチナ人がこの地方にいました。彼らはパレスチナ地方に居住するアラブ人であることから、そう呼称されているのです。ただ、パレスチナとは本来ペリシテ人の地を意味し、ペリシテ人は海の民とされているので現在のパレスチナ人とは直接関係するものではありません。

旧約聖書ではカナンと呼称されたパレスチナですが、ここは人類史におけるほとんどの期間紛争が絶えることはありませんでした。ではなぜそんな紛争地の中心となるエルサレムがユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地となったのでしょう?そもそもパレスチナはシュメール人が担ったメソポタミア文明とエジプト文明を結ぶ回廊のような場所で、実に多くの民族が往来しています。そうした経緯から、エルサレムが世界最高の聖地になったのでしょうが、それだけではありません。

Assyria_map.png
Wikiより借用した地図。

エルサレムの東にある死海は人類発祥の地である大地溝帯の北端部に当たり、死海一帯は現生人類の発祥地の可能性があり、アフリカプレートとアラビアプレートの境界に位置しています。以前にも書いていますが、こうした特異な場所は大地が強い気を発しており、古来多くの予言者が輩出しました。そうした特殊性もまた、エルサレムを世界最高の聖地とさせた大きな要因でもあったのでしょう。

プレート境界では巨大地震が発生する可能性も指摘され、旧約聖書に書かれたソドムとゴモラの滅亡は地震によるものとの説もあります。また旧約聖書にはオリーブ山が真中で二つに裂け、東西に延びる巨大な谷ができる、との記述も見られます。世界の聖地であるエルサレムがいかに特異な場所に立地しているか、上記だけからも理解いただけると思います。

さて、Wikiから借用した地図を再度参照ください。イスラエルの民(ヘブライ人)の足跡は上記の地図のほぼ全域にわたっています。次回からは彼らの歴史を順次探っていきましょう。ただ、以前のシリーズ記事のように連続して書くのではなく、気が向いたら随時書いていくことにしたいと思っています。
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