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大須探訪 その4


前回で招き猫の写真をアップしましたが、今回は猫繋がりで大直禰子神社(おおただねこ、おおたたねこじんじゃ)をご紹介します。鎮座地は名古屋市中区大須4-11-20。大須観音への最寄り駅の一つ、地下鉄上前津駅のすぐ近くとなります。祭神は社名と同じ大直禰子命。猫と禰子で同じ読みになる、などと言っても、これだけで猫繋がりとするのは無理がありすぎです。


鎮座地を示すグーグル地図画像。

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大直禰子神社。小さな祠レベルの社殿です。

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接近してもう一枚。 

大直禰子命(大田田根子)は大物主神の子神で、三輪山のふもとに鎮座する大神神社近くにて祀られており、以前アップした記憶があります。その神様がなぜ大須にと思いましたが、同じ大須で少し離れた場所に三輪神社も鎮座していました。大和と同様に2社がセットで祀られていると考えれば、筋が通りそうにも思えます。そう考えていいのか解説板を見ていきましょう。

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解説板。

雨風にさらされたせいか、文字が非常に薄れ読みにくくなっています。崇神天皇の御代に疫病が流行し、天皇が悩んでいたところ大物主神が夢に出て大直禰子に祀らせれば疫病は止むとのお告げがあり、そのようにしたら疫病が止まったと言う「古事記」の話を書いているようです。また最後のほうに、当社は「おからねこ」の俗称があったが、祭神とは何ら関係がないなどと書かれていました。「おからねこ」には御唐猫、御空猫、おから猫(食べ物のおから)などの表記が可能ですが、実際はどうなのでしょう。「尾張名陽図会」をチェックしたところ、巻6のコマ番号51に記載ありますので以下を参照ください。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1144255

「尾張名陽図会」の記事には「おから猫」と書かれているので、禰子の(ねこ)とは全く関係なさそうですし、三輪神社とのセットではなかったようにも思えます。「尾張名陽図会」通りなら猫繋がりと言えそうなので、具体的な内容を見ていきましょう。と思ったのですが、ミミズが這ったような文字で書かれているので実に読みにくい。ざっと書けば以下のような内容です。

昔から、おからねこと言い伝わっているという。ある説には幸行の御車をもたれさせたその跡に社を建てたと言う。そんなことがあるとは知らないが、昔持統天皇(正しくは上皇)の三河国、尾張国への御幸があり、これによるものとするなら良いことである。三河には宮路山と言う御行の跡があるが、尾張にはその旧跡が知られていない。これもその跡なのではないだろうか。

持統上皇の東三河行幸は「東三河の秦氏」の中で一つのシリーズとして以前に書いています。上皇の行幸に関連した旧跡が大須にあるとしたらびっくり仰天ですが、上記の内容から判断すればほとんど根拠はなさそうです。「尾張名陽図会」ではその後に、鏡御堂の記事が書かれています。

読んでみると、おから猫とは鏡の御堂のことだとあり、小さい三方(神前や貴人に物を供える時などに使う、儀式的な台。四角な折敷(おしき)の下に胴がついていて、胴の前と左右に穴がある)の上に狛犬の頭が一つ乗っていることから「おこまいぬ」となり、「おからねこ」と言う異名をつけた。その後、御堂も狛犬の頭もなくなったが、枯れた榎の大木の根が残っていて、これを「おからね」または「おからねこ」とも言った。とのことです。

猫だと思ったら実は狛犬だったとは、そして後になると枯れた榎の根っ子だったとは、ずいぶん妙で曖昧な話になってしまいました。このように、江戸時代は神社でも何でもない単なる「おから猫」伝説だったのが、明治時代になって「おから猫」は大直禰子の訛りだとの新説が唱えられ、明治42年に現在の神社になった模様。

今回は曖昧模糊としてよくわからない話で終わってしまいましたが、最後に猫繋がりをもう一つ。前回で書いた精進川の源は千種区田代町の猫ケ池付近だそうです。

もう一つおまけに千種区の平和公園の一角にある猫ヶ洞池(ねこがほらいけ)について…。この池が作られたのは1660年代で、一帯は明治頃まで金子狭間(かねこはざま)などと呼ばれており、池の名はそれから転じたとも言われるそうです。金子が猫になってしまうとは、「おから猫」同様の奇妙さです。酔石亭主なら表記をそのまま金子にして、読みを「きんす」とでもしておきます。そうすれば、お金持ちになれるよう小金を池に投げる人も出てきて、いずれ池のお金を浚えば大金持ちになるかもしれません。

次に、金子を猫とした心的な要因を少し考えてみます。猫は農作物や蚕を食べるネズミを駆除するため、古くは養蚕の縁起物でもあったとのことです。時代が下り養蚕が衰退してからは商売繁盛の縁起物とされました。よって、金子(かねこ)が(きんす)ではなく猫に転じても結果的には商売繁盛で大金持ちになるので、同じようなものだと言えるのかも…。今回はいささか締まりのない記事となってしまいました…。
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