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ワニの口

日々の雑感
02 /25 2012

「ワニの口」と言う言葉があります。これだけでは意味不明なので、民主党最初の政権であるルーピー鳩山内閣を例にとります。ルーピー内閣の政権発足当初は内閣支持率が圧倒的に高くなっていました。

しかしメッキはあっという間にはげ落ち、すぐに不支持率が支持率を上回ります。その後も不支持率は上昇を続け、一方で支持率はどんどん下降していきます。それをグラフに表すと、ワニが口を開いた状態に見えるのです。

ワニの口は一旦開き始めると、閉じる方向に向かうのが極めて困難という特性を持っています。ですから不支持率と支持率の開きがある段階に達すると、内閣は総辞職するしかなくなります。

同じことは税収と歳出の関係にも当てはまります。1990年の税収は60.1兆円あり歳出は69.3兆円でした。これが2000年には税収が50.7兆円、歳出が89.3兆円。2005年で税収は44兆円、歳出は82.2兆円。2010年になると税収は37兆円、歳出が92兆円となります。

2005年の歳出が減少したのは小泉構造改革によるものです。批判にさらされながら大ナタを振るってもこの程度の歳出減しか実行できないのですから、いかに歳出削減が難しいものか良く理解できます。問題は内閣なら総辞職で済むのですが、日本国の財政の場合はそうはいかないことです。

ワニの口が極限まで開いたら、顎の蝶つがいが外れてしまいます。つまり日本国の財政が破綻するのです。破綻して困るのは、抽象的な法人格である国ではなく預金が封鎖され何割かカットされる日本国民となります。

そんな事態は日本国民の誰も望んでいません。ワニの口が極限まで開く前に、いかなる犠牲を払おうとも口を閉じる方向に変えることが求められているのです。ところが実際には開き続けている…。不作為の罪は誰が負うのでしょう?

話題を昨日書いたギリシャを震源とする欧州危機の問題に転じます。実は欧州においても上記のようなワニの口が見られます。EU各国の経常収支を見ると共同通貨であるユーロが発足した1999年においては、各国の経常収支がほぼ同じようなレベル(僅かな黒字、あるいは赤字)にありました。

ところが経常収支の差はどんどん開いていき、現在ではドイツとオランダが経常収支の黒字状態で、その他は赤字が拡大しています。ここでも同じでした。ワニの口が開き過ぎたから欧州が危機的な状態になったのです。

ギリシャに対する第2次支援策がまとまり危機はやや遠のいたかに見えますが、弥縫策ではワニの口が開き続ける傾向を止めることはできません。どこかの時点で抜本的な手を打つしかなくなるのです。

ユーロ導入による恩恵を最も受けたのはドイツで、ドイツの外相も「ドイツはどの国よりも、ユーロ導入によって恩恵を受けています」と過去に発言しています。しかしドイツ国民の感情としては、怠け者のギリシャを救うのに自分たちの税金が投入されるのは許せないとなり、今後の支援がどうなるかは見通せません。

ドイツを国と見ればそうなりますが、例えばEUを一つの国と考え、ドイツは東京のようにドイツ都、ギリシャはギリシャ県と考えたらどうでしょう。日本を例に取ると、首都圏で集めた税金を地方に地方交付税や補助金で配分しバランスを取っています。

日本では地方交付金の支払いに首都圏在住者が反対のデモをする事態にはなっていません。こうした知恵や工夫を欧州もしたらいいのではと思います。もちろん、それだけでギリシャ危機を押さえこめる訳ではありませんが…。

何だか纏まりのない文章になってしまいました。いずれにしても、ワニの口には気を付けましょう。噛まれたら大怪我をしますから…。
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酔石亭主

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